君が代の著作権を完全解説!JASRACや商用利用のルール

君が代の著作権を完全解説!JASRACや商用利用のルール
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君が代の著作権に関する情報を調べていると、結局のところ自由に使えるのか、それともJASRACへの申請が必要なのか判断に迷うことがあります。

国歌である以上は誰もが自由に扱えるはずだと考えがちですが、動画サイトやBGM素材の販売サイトなどでは特定の権利が主張されているケースも見受けられます。

ここでは君が代の法的なステータスや商用利用の可否について、具体的な事例を交えながら整理していきます。

この記事を読むと分かること
  • 君が代の歌詞や旋律がパブリックドメインである法的根拠
  • JASRACが管理している君が代とフリーで使えるものとの違い
  • YouTubeやイベントで音源を使用する際の著作隣接権のリスク
  • 商用利用や学校行事における正しい著作権手続きのフロー
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君が代の著作権は消滅?法的状況

君が代の著作権は消滅?法的状況

まず初めに、君が代という楽曲そのものが現在どのような法的立ち位置にあるのかを明確にしておきましょう。

インターネット上には「著作権フリー」という言葉と「管理楽曲」という言葉が混在しており、これが混乱のもととなっています。

基本原則を理解することで、利用できる範囲がはっきりと見えてきます。

君が代は著作権フリーで無料?

結論から申し上げますと、「君が代」という楽曲の根幹部分に関しては、著作権は消滅しており、いわゆる「パブリックドメイン」の状態にあります。

これは、誰の許可を得ることなく、使用料(ロイヤリティ)を支払う必要もなく利用できることを意味します。

ただし、ここで言う「君が代」とは、あくまで「歌詞」と「基本的な旋律(メロディ)」、そして「標準的な和声」のことを指します。

私たちが普段耳にするCDの音源や、テレビで流れる演奏データそのものがすべて無料というわけではありません。

「楽曲としての権利」と「音源としての権利」を分けて考えることが、この問題を解きほぐす第一歩と言えます。

歌詞と旋律はパブリックドメイン

なぜ著作権が消滅していると言えるのか、その根拠を個別に見ていきましょう。

まず歌詞ですが、これは平安時代の『古今和歌集』に収録された「詠み人知らず」の和歌がもとになっています。

作者が不明である上に、成立から1000年以上が経過しているため、歌詞に関する著作権は完全に消滅しています。

次に旋律(メロディ)です。

現在歌われているメロディは、明治時代に宮内省の林廣守らが選定に関わっており、彼らも明治期に亡くなっています。

さらに、現在広く知られている西洋風の和声(ハーモニー)を付けたドイツ人音楽家フランツ・エッケルトも1916年に没しています。

日本の著作権法における保護期間を計算しても、これらすべての権利は1986年末までに満了しており、パブリックドメインとして国民の共有財産になっています。

「国旗・日の丸、国歌・君が代」法制化等に関する質問主意書および答弁書(衆議院)

君が代とJASRACの管理関係

「パブリックドメインならJASRACは関係ないはず」と考えられますが、JASRACの作品データベースで検索すると「君が代」に関連する多くの登録が見つかります。

これが混乱を招く大きな要因です。

実はJASRACが管理しているのは、原曲そのものではなく、特定のアーティストや編曲家によってアレンジされた「編曲版」の君が代です。

例えば、ロック調にアレンジされたものや、独創的な和音が加えられたバージョンなどは、その編曲を行った人物に新たな権利が発生します。

JASRACはこれらの「アレンジ部分」の権利を管理しているため、データベースにヒットするのです。

原曲通りの楽譜やメロディを扱うだけであれば、JASRACの管理外となります。

君が代の商用利用は可能か

原曲(歌詞と基本のメロディ)に関しては、商用利用も完全に自由です。

例えば、企業のテレビCMで自社で雇用しているミュージシャンに君が代を演奏させたり、自作のゲームアプリのBGMとして打ち込み音源を使用したりすることは法的に問題ありません。

しかし、市販されている「君が代」のCD音源をそのままCMに使ったり、他人が制作して販売しているBGM素材を無断で使ったりすることはできません。

商用利用が可能かどうかは、「誰が演奏・制作した音源を使うか」によって変わってくるという点を押さえておく必要があります。

著作者の死後と保護期間の原則

日本の著作権法において、著作物は原則として「著作者の死後70年」まで保護されます(以前は50年でしたが、法改正により延長されました)。

君が代の場合、作詞者(不明)を含む、関わった作曲者や編曲者の全員が亡くなってから70年以上が確実に経過しています。

この「保護期間の満了」こそが、私たちが自由に君が代を歌い、演奏し、楽譜を配布できる法的根拠です。

この原則は非常に強力で、後から誰かが「君が代の権利を独占する」と宣言しても、法的には認められません。

著作権テキスト 令和7年度版(文化庁)

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君が代の著作権トラブルと回避策

君が代の著作権トラブルと回避策

原曲が自由である一方で、利用方法を誤ると予期せぬトラブルに巻き込まれる可能性があります。

特に動画配信や公共の場での利用においては、著作権とは別の「隣接権」や「二次的著作物」の概念が関わってくるため、注意が必要です。

ここでは具体的なトラブル回避策を解説します。

アレンジ編曲と二次的著作物

パブリックドメインの楽曲に、新たな創作性を加えて編曲(アレンジ)した場合、そのアレンジ部分は「二次的著作物」として保護されます。

例えば、あなたがYouTubeで見つけた「ジャズ風の君が代」がとても素敵だったとします。

原曲は自由だからといって、そのジャズアレンジの耳コピーをして自分のライブで演奏したり、その音源を無断でダウンロードして動画のBGMに使ったりすると、編曲者の著作権を侵害することになります。

他人が作ったアレンジを利用したい場合は、その編曲者の許諾が必要になることを覚えておきましょう。

CD音源にある著作隣接権の罠

最も陥りやすい落とし穴が「著作隣接権」の問題です。

これは、楽曲を作った人(著作者)ではなく、その楽曲を演奏した人(実演家)や、録音してCDを制作した人(レコード製作者)に与えられる権利です。

たとえ君が代という「曲」自体がフリーであっても、プロのオーケストラが演奏してレコード会社が発売した「CDの音源」には、強力な著作隣接権が存在します。

この権利は発売や実演から70年間保護されます。

したがって、市販のCDから音源を取り込んでYouTubeにアップロードしたり、イベント会場でBGMとして流したりする行為は、レコード会社等の権利侵害となる可能性が極めて高いため、避けるべきです。

学校や大会での演奏と利用

学校の入学式や卒業式、あるいは地域のスポーツ大会などで君が代を流すシーンは多いでしょう。

著作権法第35条や第38条では、教育機関での利用や、営利を目的としない無料の演奏に関しては、著作権の手続きを不要とする例外規定があります。

しかし、ここでも注意が必要なのは「市販のCDを使う場合」です。

JASRAC等の規定でも、学校行事であっても市販のCDや配信音源を使う場合は、著作隣接権者(レコード会社など)の許諾が必要となるケースがあると警告されています。

最も安全なのは、ピアノの生演奏や、生徒・参加者による斉唱を行うことです。

これならば権利関係をクリアにしつつ、厳粛な雰囲気を演出できます。

YouTube投稿時の注意点

YouTubeなどの動画投稿サイトでは、「Content ID」というシステムにより著作権管理が自動化されています。

もしあなたが市販のCD音源をBGMとして使用した場合、即座にブロックされたり、収益化が制限されたりする通知が届くでしょう。

これは前述の著作隣接権が検知されるためです。

一方で、あなた自身がピアノで君が代を演奏したり、DTMソフトで打ち込んだりしたオリジナルの音源であれば、何ら問題なく公開でき、収益化も可能です。

この場合、音源の権利者はあなた自身になるからです。

安全に音源を利用する手順

君が代をトラブルなく利用するための手順を整理します。

  1. 自分で演奏・制作する
    最も安全です。すべての権利を自分でコントロールできます。
  2. 公式に配布されているフリー音源を探す
    一部のアーティストや公的機関が、利用規約の範囲内で無料利用を認めている音源があります(例:大黒摩季氏の公式サイトなど)。必ず利用規約を読み込んでください。
  3. ライセンスを購入する
    Audiostockなどの素材サイトでは、権利処理が済んだ「君が代」の音源が販売されています。数千円程度のライセンス料を支払えば、安心して商用利用やYouTubeでの利用が可能です。

君が代の著作権を正しく理解する

君が代の著作権を正しく理解する

君が代の「著作権」に関する検索を行う方の多くは、法的なリスクを避けたいという誠実な意図を持っているはずです。

まとめとして重要なのは、「楽曲(メロディ・歌詞)」と「音源(録音物)」を明確に区別することです。

原曲はパブリックドメインであり、私たちの共有財産です。

しかし、それを形にした「音源」や「独自のアレンジ」には、制作者の権利が宿っています。

この境界線さえ正しく理解していれば、恐れることなく、適切な方法で君が代を利用することができると言えるでしょう。

本記事の情報は一般的な解釈に基づくものです。個別の法的な判断が必要な場合や、商用利用で多額の費用が動くようなケースにおいては、必ず弁護士や弁理士などの専門家にご相談ください。

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