はないちもんめの意味は怖いと聞いたことはありませんか。
この歌の歌詞や、たんす長持ちの意味を深く調べてみると、残酷で怖い意味が隠されているという説が浮かび上がってきます。
それでは、はないちもんめの本当の意味は何か、そして歌に出てくる、いちもんめとはどういう意味なのかを探ると、人身売買を暗示する都市伝説に行き着くのです。
また、この遊びのルールが原因となって、最後まで残る子へのいじめに発展し、関西地方を含め一部の教育現場では禁止されることもあります。
この記事では、はないちもんめだけでなく、かごめかごめとはどういう意味なのかといった他のわらべうたにも触れつつ、その真相を詳しく解説していきます。
- はないちもんめの歌詞に隠された本当の意味
- 遊びのルールが現代で問題視される理由
- 人身売買説や都市伝説の背景
- 他の怖い由来を持つわらべうたとの比較
はないちもんめの意味が怖いと言われる理由

- はないちもんめの意味は?まず基本から
- 歌詞に出てくる「いちもんめ」とはどういう意味?
- 歌の解釈を左右するたんす長持ちの意味
- はないちもんめの本当の意味は残酷な売買説
- 関西で伝わる歌詞が持つ怖い意味
- 噂される都市伝説と他の怖い童謡
- かごめかごめとはどういう意味かも解説
はないちもんめの意味は?まず基本から

はないちもんめとは、古くから日本に伝わるわらべうたの一つであり、主に子どもたちの集団遊びとして親しまれてきました。
基本的には2つのグループに分かれ、歌を歌いながら相手のグループの子どもを一人ずつ自分のチームに引き入れていく遊びです。
この歌の名称は、漢字で「花一匁」と表記されることがあります。
特別な道具を必要とせず、広い場所さえあれば楽しめる手軽さから、保育園や小学校のレクリエーションとして取り入れられることも少なくありません。
遊びを通して、子どもたちは自然にコミュニケーション能力を養い、集団で行動する楽しさやルールを守ることの大切さを学びます。
このように、表向きは子どもたちの成長に寄与する健全な伝承遊びとして知られていますが、その歌詞や背景を深く探ると、全く異なる側面が見えてくるのです。
歌詞に出てくる「いちもんめ」とはどういう意味?

はないちもんめの「いちもんめ」という言葉は、その意味を知る上で非常に重要なキーワードとなります。
「もんめ(匁)」とは、江戸時代に主に使用されていた重さの単位です。
具体的には1匁が約3.75グラムに相当します。
また、匁は重さの単位としてだけでなく、当時は銀貨の価値を示す貨幣の単位としても機能していました。
例えば、一匁の価値は現代の金額に換算すると解釈によって幅がありますが、一説には数百円から数千円程度であったと考えられています。
つまり、「花一匁」を文字通りに訳すと、「花の値段が銀貨一匁である」という意味になります。
この「一匁」という金額が、当時の価値観として高かったのか、あるいは安かったのかが、歌の解釈を大きく左右するのです。
多くの説では、これは非常に安い値段、つまり「はした金」であったとされており、歌に込められた悲哀の根源となっています。
歌の解釈を左右するたんす長持ちの意味

はないちもんめの歌詞には、地域によってバリエーションがありますが、「たんす長持ちどの子が欲しい」という一節が含まれることがあります。
この「たんす長持ち」という言葉も、歌の怖い意味を解き明かす上で見過ごせない要素です。
「たんす」や「長持ち」は、本来、衣類などを収納するための家具であり、特に昔は嫁入り道具の象徴でもありました。
娘が嫁ぐ際に、親が立派なたんすや長持ちを持たせることは、娘への愛情や家の豊かさを示す重要な慣習だったのです。
しかし、はないちもんめの文脈では、これが全く異なる意味合いを持つと解釈されています。
「たんす長持ちどの子が欲しい」という問いかけは、「嫁入り道具のように価値のある子はどの子か?」と、子どもを品定めしている様子を表しているという説があります。
もっと言えば、人買いが「この子にはどのような価値があるのか」と問い、親が「この子は将来これだけの価値になる」と売り込んでいる、悲しい商談の場面を模しているとも考えられているのです。
はないちもんめの本当の意味は残酷な売買説

はないちもんめにまつわる最も衝撃的な説は、この歌が人身売買、特に貧しい農村で行われた子どもの身売りを歌ったものであるという解釈です。
江戸時代、飢饉や凶作によって多くの人々が食べるものに困り、やむを得ず子どもを手放す「口減らし」が横行しました。
この説によれば、「花」は女の子を指す隠語であり、「一匁」という安い値段で取引されていたことを示唆します。
売られた子どもたちの多くは、都市の遊郭などに送られ、厳しい生活を強いられました。
親としては断腸の思いでありながらも、他の家族が生き延びるためには、そうするしか選択肢がなかったのです。
この解釈を裏付けるように、歌詞の各フレーズが悲しい意味を持つとされています。
歌詞のフレーズ | 通常の解釈(遊びとして) | 人身売買説に基づく解釈 |
---|---|---|
勝ってうれしい | じゃんけんに勝って仲間が増えてうれしい | 安い値段で女の子を「買って」うれしい(人買い) |
負けてくやしい | じゃんけんに負けて仲間が減ってくやしい | 値段を「負けて(値切られて)」娘を売ってくやしい(親) |
あの子がほしい | 相手チームのあの子を仲間にしたい | 商品としてあの子が欲しい(人買い) |
相談しよう | どのメンバーを選ぶかチームで相談する | 値段や条件について交渉(駆け引き)する |
このように考えると、子どもたちの無邪気な遊び歌が、実は貧困に喘ぐ人々の悲痛な叫びや、売られていく少女たちの悲哀を歌ったものである可能性が浮かび上がってきます。
関西で伝わる歌詞が持つ怖い意味

はないちもんめの歌詞は、全国で完全に統一されているわけではなく、地域によって細かな違いが見られます。
発祥の地は関東の北総地方という説が有力ですが、歌が全国に広まる過程で、その土地の文化や方言と結びつき、歌詞が変化していったと考えられます。
例えば、インプットした情報の中には、「ふるさともとめて」という歌詞が、一部地域では「ふるさとまとめて」と歌われるという指摘がありました。
「もとめて」であれば新しい居場所を求める旅立ちと解釈できますが、「まとめて」となると、故郷を整理して出ていく、つまり二度と帰れないかもしれない悲壮な覚悟が感じられます。
関西地方特有の歌詞として確立されたものは明確な資料に乏しいですが、遊び歌が伝播する中で、「鬼が怖い」「布団が破れて行かれない」といった、身売りを拒む子どもの言い訳のようなフレーズが付け加えられたバージョンも存在します。
これらの歌詞は、人買いから逃れたい子どもの必死の抵抗や、それすら叶わない絶望的な状況を表現していると解釈でき、歌の怖い意味を一層引き立てているのです。
本野洋子「わらべうた『はないちもんめ』の地域的特徴の比較から見えてくるもの」
噂される都市伝説と他の怖い童謡

はないちもんめが持つ人身売買説は、もはや単なる一説に留まらず、一種の都市伝説として広く知られています。
この説以外にも、「最後まで選ばれなかった子は神隠しにあう」「遊郭で亡くなった少女の霊が歌っている」といった、よりオカルト色の強い噂も存在します。
これらの話に明確な根拠はありませんが、歌の持つ物悲しいメロディや不気味な歌詞の解釈が、人々の想像力を掻き立てるのでしょう。
実は、残酷な由来を持つとされるわらべうたは、はないちもんめに限りません。
ずいずいずっころばし
「ずいずいずっころばし」もその一つです。
歌詞に出てくる「茶壺に追われてトッピンシャン」という部分は、身分の高い大名の行列(お茶壺道中)が来た際に、農民が慌てて家に逃げ隠れる様子を描いているとされています。
もし見つかれば無礼打ちにされる危険もあったため、その緊張感が歌になったという説です。
このように、昔のわらべうたには、当時の厳しい社会情勢や、おおっぴらには口にできない庶民の感情が暗号のように込められているケースが少なくないのです。
かごめかごめとはどういう意味かも解説

「かごめかごめ」は、はないちもんめと並んで、怖い意味を持つわらべうたの代表格として頻繁に語られます。
中央に座る「鬼」役の子どもの周りを、他の子どもたちが手をつないで歌いながら回り、歌の最後に鬼が自分の真後ろにいる子どもの名前を当てるという遊びです。
この歌にも、様々な怖い説が存在します。
妊婦説
「かごの中の鳥」は、お腹の中にいる胎児を指し、「いついつ出やる」は出産を意味するという説です。
そして、後ろの正面にいるのは、お腹の子を流産させようとする誰か(姑など)であり、その人物に突き落とされてしまうという悲劇を暗示していると解釈されます。
処刑説
「かごめ」とは、竹で編んだ籠の目を意味し、罪人を囲む様子のことです。
「後ろの正面だあれ」は、首を斬り落とされる瞬間に、罪人の目に映った介錯人の顔を問いかけているという、非常に残酷な説です。
これらの説も都市伝説の域を出ませんが、単純な遊び歌の裏に隠された深い意味を探ることは、日本の文化や歴史の暗部を垣間見るようで、多くの人々の興味を引きつけてやみません。
はないちもんめの怖い意味と現代の問題点

- まずは基本的な遊びのルールを確認
- 最後まで残る子を生むいじめ問題
- 教育現場で禁止されるケースも
- 総括:はないちもんめの意味が怖いという説
まずは基本的な遊びのルールを確認

はないちもんめの遊び方を理解することは、なぜこの遊びが現代において問題視されることがあるのかを知る上で重要です。
ここでは、一般的とされる遊びのルールを段階的に解説します。
- チーム分け
参加者を2つのグループに均等に分けます。人数は1チーム4人以上、合計で8人以上いると遊びが盛り上がります。 - 整列
各グループは横一列に手をつなぎ、相手チームと向かい合います。 - 歌と前進・後退
じゃんけんで先攻を決め、先攻チームが「かってうれしい はないちもんめ」と歌いながら前に進みます。後攻チームは後ずさりします。次に後攻チームが「まけてくやしい はないちもんめ」と歌いながら前に進み、先攻チームが後ずさりします。これを交互に繰り返します。 - 相談
「そうだんしましょ、そうしましょ」のパートで、各チームは輪になって相手チームから誰を引き抜きたいか相談します。 - 指名
相談が終わると、先攻チームが「○○ちゃんがほしい」と、欲しい子の名前を呼びます。後攻チームも同じように「○○ちゃんがほしい」と返します。 - じゃんけん
両チームから名前を呼ばれた2人が前に出て、じゃんけんをします。 - 移動
じゃんけんに負けた子は、勝った子のチームに移動します。 - 繰り返し
どちらかのチームのメンバーが全員いなくなるまで、この流れを繰り返します。
この一連の流れ、特に子どもを名指しで選び、勝敗によって所属チームが決まるという構造が、現代的な視点から見るといくつかの問題点をはらんでいるのです。
最後まで残る子を生むいじめ問題

はないちもんめの遊びの構造が持つ最大の問題点は、いじめの温床になり得るという点です。
この遊びでは、「あの子がほしい」と、相手チームの中から特定の子どもを指名する場面が必ず発生します。
ここで、人気のある子や運動神経の良い子は早い段階で指名される一方で、内気な子やあまり目立たない子は、なかなか名前を呼ばれないという状況が起こり得ます。
特に、遊びが終盤に差し掛かり、チームの人数が少なくなっても最後まで選ばれずに残ってしまう子が生まれる可能性があります。
本人にそのつもりがなくても、繰り返し選ばれないという経験は、「自分は誰からも必要とされていないのではないか」という疎外感や自己肯定感の低下に繋がる恐れがあります。
また、悪意のある子どもたちが、意図的に特定の子どもを仲間外れにするために、この遊びの仕組みを利用することも考えられるでしょう。
このように、遊びの結果が子どもたちの心に深い傷を残しかねない点が、大きな懸念材料とされています。
教育現場で禁止されるケースも

前述のような、いじめや疎外感に繋がるリスクを考慮し、近年、一部の保育園や小学校では、はないちもんめを禁止したり、遊び方を見直したりする動きが広がっています。
禁止される主な理由
- 心理的負担
特定の子どもが選ばれない状況が続き、心理的な苦痛を与える可能性があるため。 - 人間関係への悪影響
遊びの中での指名が、クラス内の人気や力関係を可視化してしまい、人間関係を悪化させる要因になりかねないため。 - 安全性への配慮
手をつないで前進・後退する際に、子ども同士で腕を強く引っ張り合って転倒したり、じゃんけんに負けた子を無理やり連れて行こうとして怪我をしたりする危険があるため。
もちろん、全ての教育現場で禁止されているわけではありません。
先生が介入して誰もが疎外感を抱かないように配慮したり、名前を呼ぶ代わりに番号や色で指名したりと、ルールを現代的にアレンジして楽しんでいる場所も多くあります。
伝統的な遊びの楽しさを継承しつつも、全ての子どもが安心して参加できる環境を整えることの重要性が、今、改めて問われているのです。
総括:はないちもんめの意味が怖いという説

- はないちもんめは古くから伝わる日本のわらべうた
- 漢字では「花一匁」と表記されることがある
- 「匁」は江戸時代の重さや貨幣の単位
- 怖い意味の根源は人身売買を暗示するという説にある
- この説では「花」は女の子を指す隠語と解釈される
- 「勝ってうれしい」は人買いの喜びを表すという解釈
- 「負けてくやしい」は娘を安く売った親の悔しさ
- 江戸時代の飢饉や口減らしが歴史的背景にあるとされる
- 遊びのルールが選別やいじめにつながる可能性を持つ
- 最後まで選ばれない子が心理的負担を感じることが懸念される
- 安全面や心理的配慮から禁止する教育現場も存在する
- 歌詞やルールには全国で地域差が見られる
- 人身売買説以外にも様々な都市伝説が存在する
- 他のわらべうたにも残酷な由来を持つものがある
- 伝統文化として継承しつつも現代的な配慮が求められる